ホーム » バイクメンテナンス » トルクレンチの使い方をマスターしよう

トルクレンチの使い方をマスターしよう

トルクレンチとは何か

トルクレンチは、ボルトやネジを締め付けるときに、適正なトルクで締め付けているかどうかを確認するのに使う道具です。
トルクというのは締め付けている力のことで、N・m(ニュートンメートル)という単位で表します。
トルクレンチは、タイヤ交換やエンジンの交換など安全面に大きな影響のある整備の際に使用する重要な道具ですから、使い方をきちんとマスターする必要があります。

トルクレンチの正しい使い方

まず、ロックしているツマミを左に回転させてロックを外します。
次にグリップを回してトルク目盛りを動かし、値を設定します。
トルク値は主目盛りと副目盛りの合計ですから、例えば35N・mに設定したいのであれば、主目盛りが35N・m、副目盛りが0N・mで合計35N・mにしましょう。

設定が終わったら、ロックのツマミを右に回転させてロックします。
トルクレンチの先端にあるドライブ角にソケットを挿入し、回転方向切替レバーを時計回りあるいは反時計回りのどちらかの方向に回します。

ボルト・ナットにソケットを差しこんで締め付け、カチッと音がしたと同時に締めるのをやめます。
2回も3回もカチカチという音がするまで締め付けるのはやめてください。
何回も締め付けると正確に測定できません。

トルクレンチは、使用後はほこりで汚れないようにケースに入れて保管しましょう。
高温多湿の場所も避けてください。
また、トルクレンチは振動の影響を受けて精度が落ちることがあるので、振動のない静かな場所で保管しましょう。
定期的な工精を実施して精度を保つことも必要です。

トルクレンチの選び方

トルクレンチには「直読式」と「シグナル式」があり、「直読式」は数値を読み取りながら作業するものです。
「直読式」には、金属のゆがみから測定するビーム型とダイヤルの目盛りで測定するダイヤル式があります。
ビーム型は構造がシンプルで安価、ダイヤル式は精度が高いですが、重くて値段も高いというデメリットがあります。

「シグナル式」は、適正なトルクの値を超えてしまったときに音あるいは振動で教えてくれるものです。
中でもプレセット型は、音と振動に加え、ヘッドの角度が変わり設定値まで締め付けられたことを教えてくれます。
連続した作業時や目盛の読み取りがしにくい状況で使うのに便利なトルクレンチで、値段もお手頃で初心者も簡単に使えます。

測定範囲がどのくらいかによっても、選び方が変わります。
ホイルナットの調整以外には使わないなら105N・m固定で十分です。
エンジン整備をしないのであれば10N・m~50N・m、幅広い整備を行うなら5N・m~25N・mあるいは20N・m~100N・mが目安です。